月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

安禪不必須山水 滅却心頭火自涼

1号路は薬王院に続く表参道である。

参道はよく整備されており、

所々に売店や自販機も出ており、水を補給することもできる。

ただし、ペットボトル1本が中腹で190円、

山頂で210円する。

山門には多数風鈴が吊るされていて涼し気な音色を響かせていた。

高尾山には山も水もある。

禅宗ではなく行基菩薩を開祖とする真言密教の寺院である。

20230718080038

Canon EOS 60D+Tamron 52BB SS1/8000 F2.5 ISO400

 

安禪不必須山水 滅却心頭火自涼

あんぜんかならずしもさんすいをもちいず

しんとうめっきゃくすればひもおのずからすずし

 

唐の時代に杜荀鶴と言う官僚がつくった「夏日題悟空上人院詩」と言う漢詩の一節である。

火も涼しいとはさすが悟空上人である。

唐の時代は今ほど暑くはないだろうと思うかもしれないが、

当時も平安海進と言う温暖化の真っただ中である。

すげぇやべぇ気温だっていうのにオラわくわくしてきたぞっ!!

 

日本では快川和尚のエピソードが有名である。

武田氏を滅ぼした織田信忠の軍が恵林寺に押し寄せ、

逃げ込んだ残党を引き渡せと命じたところ、

住職の快川紹喜は

「寺を頼って来た者に、御仏の加護を与えるのが僧の勤めである。

窮鳥懐に入れば猟師もこれを殺さずというではないか。

ここは静かにお引取り願いたい。」 と言って拒否し、

怒った織田信忠に焼き討ちにされてしまう。

その際発した言葉として有名で恵林寺の山門には今も額が飾ってあるという。

悟空上人は夏の暑さだったが、こっちはリアルに火であったので焼け死んでしまった。