月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

旅行より戻ってまいりました

七面倒な理屈はいわぬ。

とにかく物をあつめたがる人種がいるのは確かなことだ。

人々は切手をあつめる。

人形をあつめる。

キーホルダーをあつめる。

ビンやカワラケをあつめる。

これはもう理屈ではない。

ある種の分裂病患者に濫集症というのがあるが、

およそ役に立たぬもの、汚らしいもの、捨てるよりほかないものを、

無闇やたらと蒐集する。

彼らはそうして集めた毛髪、木片、ボール紙の切れっぱし、爪の屑などをひしとかき抱き、

他人がそばにくると一片でも渡してなるものかという表情をする。

そっとしてやったほうがいい。

 

昨日触れた「どくとるマンボウ昆虫記」の冒頭である。

このエッセイは人はなぜ虫を集めるかという話題から始まる。

作者は精神科医で医学博士の故北杜夫氏

そして岸田秀の「ものぐさ精神分析」を読んだとき、

人は誰しも狂っており、それがバレたら狂人となるが、

多くの人間はバレないように暮らしているので正常と見なされると確信した。

世界には2種類の人間しか存在しない。

狂人か、まだバレてない狂人か。

 

さて、5月1日から4日にかけて富山に旅行に行ってきた。

新幹線で富山駅に向かい越中八尾へ…

ギフチョウ採集…ではなく石ころ採集の旅だった。

 

石ころの採集と言えば昆虫記ですら馬鹿にされている趣味だが…

まぁそういう狂気なので仕方がない。

 

子どものころそれこそ目に付く昆虫は手当たり次第に捕獲し、

蝶は三角紙に、甲虫は毒ビンに放り込み標本をつくったものだが、

その標本は手元にはない。

北杜夫氏のように戦争で焼けてしまったのではない。

カツオブシムシに食べられてしまったのだ。

それ以来昆虫は写真に撮るだけにしている。

収集するのが石ころであれば

少なくともカツオブシムシに食べられることは無かろう。

ざまぁみろ。

 

本題に入ろう。

菅谷館の周辺は昆虫の採集は禁止となっているのだが、

帰り際に捕虫網を持った男を目撃した。

ネットに色がついている…手練れだ…

(熟練者は特に蝶の採集時、狙う種類によって使用する網の色を変える)

 

昨今、昆虫の採集が禁止になっている公園は多い。

マンボウ博士が若かりし日に通った上高地なども禁止になって久しいし、

貴重な種は天然記念物などに指定されていることが多く、

その産地では例え子どもであれ

うかつに捕虫網を携帯すると無用なトラブルを招く。

 

確かに昨今の高度に情報化された社会では、

貴重なものが取り放題となると、商業目的も含めて、大挙して押し寄せ、

たちまち根絶されてしまうであろう。

しかし、人間主体で環境に余計な手を入れた結果の絶滅はさらに多いので、

一概に収集者のせいとも言い切れまい。

 

一方で、石ころに関してはさらにヤバいのがいて、

トラックで横付けし、地形が変わるほど地面を掘り返したあげく、

ごっそり持っていき、原状復帰もしない。

結果、採集が禁止になる地域も多い。

 

こういうことがあるので、小生は自家用車を…撮影に使うことにすら抵抗がある。

採集はポケットに入る程度にしておくがいい。

 

江戸川下流では外国人が牡蠣やらアサリやらをごっそりとって行くことが

問題となっており、

また、ゴミの放置などでトラブルになり釣りが禁止になる漁港も多い。

実際には海洋プラスチックの多くがアマチュアよりプロの方の魚網だったりするのだが。

 

写真撮影も近頃は風当たりが強くなっている。

いや…電車やコンビニの中ですら監視カメラが回ってるんですけどね…

 

まぁ節度が大事ということだろう。

節度から外れてしまうと狂人として排斥されてしまう。

 

人間よりも文句を言わない自然を撮影しよう

どこか人間のいないところで…

 

では今日の写真、4月16日に撮影した花粉まみれのウスバシロチョウ

20230430013056

PENTAX K-5IIs + smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM SS1/400 F4 ISO200

 

昨日のは目にピントが来てなかったので。

 

おおウスバシロチョウ

スプリングエフェメラ

春の短き生命

透明な翼を持つ氷雪の妖精よ…

汝は…もふもふかわいい

 

5月1日から昨日分までの投稿はすべて予約投稿で投稿したものだった。

最後になりましたが旅行中☆をくださった方、お返しできず申し訳ありませんでした。