日比谷公園ではまだ百合の花が咲いている。
もちろん7月から順次咲いているので
さすがにこれが最後くらいだろうか…
OM-1 Mark II + CM-AEF-MFT + APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO(300mm) SS1/320 F5.6 ISO320
さてこのレンズ焦点距離の前にAPOとあるがこれはアポクロマートのことである。
光は周波数によって屈折率が違うので色ずれが生じる。
これを倍率色収差と呼ぶのだが…
アポクロマートとはそれが補正されていることを意味する。
実際、このレンズは10群14枚のレンズのうち、SLDガラスが3枚も使われていた。
メーカー希少小売価格は65,100円だったが、新品で2万円くらいになっていた。
今、中古で探しても2万円前後のようだ。
このレンズAPO無し版もあってそれはSLDガラスが1枚だった。
写りはそれほど変わらなかったと言う話だが
APOあり版も安かったので、中古ではAPOあり版ばかり見かける気がする。
また、のちに手振れ補正付きが出たがマクロ機能はなくなっていた。
この年(2005年)キヤノンはEF70-300mm F4-5.6 IS USMと言うレンズを出しており、
このレンズは10群15枚構成で手振れ補正がついたのだが
UDレンズが1枚しか使われておらず、評判がよくなかった。
もっとも2016年にEF70-300mm F4-5.6 IS II USMを出し、
こちらは12群17枚構成でUDレンズ1枚なのだが、きわめて評判が良い。
キヤノンは価格を抑える為かLレンズ以外は特殊硝材の使用を抑える傾向にあり、
しばしば画質面で他社の後塵を拝していた。
APOとついてはいるがSLDガラス3枚をもってしても、
20年前の技術ではズームレンズの色収差を完全に打ち消すことはできなかったらしく、
等倍で見ると左上のつぼみなどで左側に赤、右側に緑の色ずれがわずかに生じている。
…まぁ…20年前のレンズにしては頑張ったほうだろう。
望遠とマクロ両方欲しいけど予算がない
もしくはバッグにマクロレンズを持ち歩く余裕がない人は
中古でこのレンズを探してみるのもよいかもしれない。
なお、タムロンもほぼ同スペックのレンズを出していて、
手振れ補正付きの評判は純正II型に匹敵した(むしろII型登場までは定番だった)が
シグマ同様マクロモードはついていない。
一方、手振れ補正無しはマクロモードがついていて、
シグマのこのレンズよりボケは良かったが、逆光には弱かった印象がある。