月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

アポクロマート

日比谷公園ではまだ百合の花が咲いている。

もちろん7月から順次咲いているので

さすがにこれが最後くらいだろうか…

20240806065220

OM-1 Mark II + CM-AEF-MFT + APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO(300mm) SS1/320 F5.6 ISO320

 

さてこのレンズ焦点距離の前にAPOとあるがこれはアポクロマートのことである。

光は周波数によって屈折率が違うので色ずれが生じる。

これを倍率色収差と呼ぶのだが…

アポクロマートとはそれが補正されていることを意味する。

 

実際、このレンズは10群14枚のレンズのうち、SLDガラスが3枚も使われていた。

メーカー希少小売価格は65,100円だったが、新品で2万円くらいになっていた。

今、中古で探しても2万円前後のようだ。

このレンズAPO無し版もあってそれはSLDガラスが1枚だった。

写りはそれほど変わらなかったと言う話だが

APOあり版も安かったので、中古ではAPOあり版ばかり見かける気がする。

また、のちに手振れ補正付きが出たがマクロ機能はなくなっていた。

 

この年(2005年)キヤノンはEF70-300mm F4-5.6 IS USMと言うレンズを出しており、

このレンズは10群15枚構成で手振れ補正がついたのだが

UDレンズが1枚しか使われておらず、評判がよくなかった。

もっとも2016年にEF70-300mm F4-5.6 IS II USMを出し、

こちらは12群17枚構成でUDレンズ1枚なのだが、きわめて評判が良い。

キヤノンは価格を抑える為かLレンズ以外は特殊硝材の使用を抑える傾向にあり、

しばしば画質面で他社の後塵を拝していた。

 

APOとついてはいるがSLDガラス3枚をもってしても、

20年前の技術ではズームレンズの色収差を完全に打ち消すことはできなかったらしく、

等倍で見ると左上のつぼみなどで左側に赤、右側に緑の色ずれがわずかに生じている。

…まぁ…20年前のレンズにしては頑張ったほうだろう。

 

望遠とマクロ両方欲しいけど予算がない

もしくはバッグにマクロレンズを持ち歩く余裕がない人は

中古でこのレンズを探してみるのもよいかもしれない。

 

なお、タムロンもほぼ同スペックのレンズを出していて、

手振れ補正付きの評判は純正II型に匹敵した(むしろII型登場までは定番だった)が

シグマ同様マクロモードはついていない。

一方、手振れ補正無しはマクロモードがついていて、

シグマのこのレンズよりボケは良かったが、逆光には弱かった印象がある。