月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

王者無惨

日本に住む昆虫でもっとも強いのは

カブトムシである。

 

硬い翅に覆われ、強固な脚を持ち、

特徴的な角で敵をすくい投げてしまう。

甲冑を纏った力士のようないでたちであり、

クワガタはカモであり、スズメバチも一目置く。

そんな絶対王者であるが…

それはあくまでも昆虫の間だけのようだ。

 

菅谷館には蝶の里公園、オオムラサキの森、ホタルの里が隣接しているが、

オオムラサキの森の施設のすぐ横に、

樹液が滾々と湧き出る樹があり、良い感じに醗酵している。

この樹に多くのカナブンが集まっているのだが、

腹をえぐられたカブトムシが散乱し、

ノコギリクワガタの頸チョンパもいくらか見られた。

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PENTAX K-5IIs + smc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM SS1/400 F4 ISO1600

 

犯人はカラスのようである。

ヒャッハー!汚物は消毒だー!

…世紀末北条軍のようなやつらである…

 

この状態で生きているのもある意味すごい…

これはまだ胴体が残っているが、

完全に頭と胸しか残ってなくても動いている個体も存在した。

こうなるとさすがの絶対王者もアリの餌食である。

 

しかし、あの堅い翅をこうもあっさり破壊できるものだろうか…

あるいは翅を開いて飛び立つ瞬間を狙われたのかもしれない。

ハナムグリなどは腹をカバーしながら飛べるのだが、

カブトムシやクワガタは飛んでいる間はノーガードである…