月に叢雲 花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

里見の郷

国府台は山崎製パンの創業の地である。

この山崎製パンが出している和菓子に里見の郷と言うのがある。

里見公園からとったものと言う話だが、

本来の里見の郷は群馬県にあり、

ここに新田氏の一族が移り住み里見氏を名乗ったそうだ。

 

里見氏は結城合戦で滅亡するが、

一族が安房に逃れ戦国大名として安房里見氏を築く。

曲亭馬琴南総里見八犬伝と言う本を書くが、

あれはもちろんフィクションである。

 

第一次国府台合戦では、

里見氏は小弓公方に味方するが、

戦わずして兵を引き、

味方のはずの真里谷武田氏を攻め

ちゃっかり勢力を拡大したりしている。

 

さて里見氏が主役を務めるのは

第二次国府台合戦である。

永禄6年に2度目の関東遠征を試みた上杉謙信に呼応し

里見義弘は北条絶対殺すマン太田資正(道灌のひ孫)と

1万の兵を率いて国府台城に入る。

対する北条方は2万の兵を率いて江戸川対岸に…

 

もう負けフラグが立っている…

しかし松戸の浅瀬を渡った北条の先遣隊を壊滅させることに成功。

緒戦の勝利に気をよくした里見方は月見の宴を開いたところ、

地黄八幡北条綱成率いる本体に夜襲され、

安西某の身代わりにより大将が討ち取られる寸前で

かろうじて逃げ延びると言う大敗を喫したのであった。

以来この地方の住民は月見はしないと言う悲劇的伝説が…

 

安西というと八犬伝の序盤で

犬に殺されてた気がするが

子孫(?)は忠臣だったようだ。

 

里見氏はこの後しぶとく生き延び

小田原征伐で領国を安房一国に削られたものの家名を存続させたが、

江戸時代に大久保長安事件に連座し改易されたという。

 

さて本日の写真はフジバカマの里の外観である。

20230920021343

PENTAX K-5IIs + smc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited SS1/500 F8 ISO400

 

江戸川の堤防沿いで、

柵はあるがほぼ草に覆われ、

道もかろうじて残っている程度。

向って右側が西であり、川があり、

正面の森が里見公園である。

 

実はここに来たのははじめてで、

たどり着くのに時間がかかってしまった。