日本では月ではうさぎが餅をついていることになっているが、
中国では桂の樹が生えていることになっている。
この月の桂の種が月夜の晩に地上に降り注ぎ
芽を出し金木犀の樹になったと言う。
中国では金木犀の花のことを桂花と言う。
桂花庭院月紛紛, 按罷霓裳酒半醺。
折得一枝攜滿袖, 羅衣今夜不須熏。
高啓「題桂花美人」
桂花庭院 月 紛紛, 霓裳ヲ按ジ罷ミテ 酒 半バ醺ズ。
一枝ヲ 折リ得テ 携ヘレバ 袖ニ満チ, 羅衣 今夜 熏ズルヲ 須ヰズ。
按罷…演奏を終える
霓裳…霓裳羽衣と言う曲のこと。玄宗が月の天女が舞うのを見て作ったと言う
醺…酔っぱらうこと
攜 …携える
羅衣…着物
不須…必要がない
熏…お香をたく
金木犀の咲く庭院でふくよかな香りが月の光と交じり合っている
霓裳羽衣の演奏も終わり酒が回ってきた
一枝折って手に取れば香りは袖に満ちて
今夜はお香で清める必要はない
高啓「桂花美人に題す」
…迷惑な酔っぱらいめ…
高啓…元末明初の詩人。蘇州(江蘇省)の人。字は季廸。青邱と号す。
張羽、徐賁、楊基とともに「呉中四傑」と称される。強そうだけどただの詩人である。
召されて元史を修撰、翰林院編修・戸部侍郎となるも、洪武7年刑死。
フフフ…奴は呉中四傑最弱…
文字の獄 かと思ったがそれよりだいぶ前だった。
張羽は知らんが徐賁と楊基も獄死しとる…恐るべし朱元璋…
飛鳥尽 良弓藏 狡兎死 良狗烹
チィムールがもう少し長生きしたら人材枯渇でヤバかったかもしれない。
この漢詩は受験勉強の時にやったやつだ…よほど印象深かったのか
うん十年経っても覚えている…
全く関係のない東坡の春宵一刻値千金と対になっているのだ…
秋と春の夜の詩と言うのもあるが、ぷんぷんとちんちんで覚えているw
PENTAX KP + smc D FA MACRO 100mmF2.8 WR SS1/160 F8 ISO3200
日本ではお月見と言えばお団子だが
中国では月餅と金木犀の香りのする烏龍茶を飲むと言う。
東方美人と言う烏龍茶を金木犀で香りづけしたのを桂花美人と称し、
…でもなぁ…日本では金木犀はトイレのにおい消しに使われることが多く
金木犀はトイレのにおいなんだよなぁ…
千葉県北西部はお花見をしない地域がある。
これは、平将門が月明かりのために討たれたためとも、
月見をしていたせいで国府台のいくさで敗れたためとも言われている。