月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

深度か密度か

ピントが合う範囲を被写界深度と言うが、

被写界深度の大きさは、レンズの焦点距離に反比例する。

あるいはピントが合っていないところはボケているところなので

ボケの大きさは、レンズの焦点距離に比例すると言ってもいい。

もっともボケに関しては対象に近づいても大きくなる。

マクロ域で大きなボケが得られるのはこのためである。

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PENTAX KP + APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO(70mm) SS1/125 F8 ISO800

 

APS-C機で70-300mmのレンズをF8まで絞り込み、10m先にピントを合わせた場合、

ピントの合う範囲は

70mmの場合ピントが合うのはだいたい7m〜16mの9mの幅であるのに対し、

300mmの場合9.8m〜10.2m…わずか40㎝幅になってしまう。

望遠レンズでパンフォーカスを目指す場合、

ちょっと絞り込んだくらいでは深度が足りない。

一方で望遠の利点はリーチを生かして

特に密集しているところを切り取れることである。

 

これはフルサイズで寄ればさらに顕著になる。

距離1mにピントを合わせた場合、

各レンズの絞り解放時ピントの合う範囲は下記になる

50mm F1.4 0.982m〜1.019m(37mm)

50mm F1.8 0.977m〜1.025m(48mm)

100mm F2.8 0.991m〜1.009m(19mm)

200mm F2.8  0.998m〜1.002m(5mm)

300mm F4 0.999m〜1.001m(3mm)

 

100mmのレンズは50mm F1.4と同等の被写界深度を得るには

F5,6 まで絞り込む必要があり、

200mmはF22、300mmはF64まで絞って

ようやく50mm F1.4と同等の被写界深度になる。

(普通はF64まで絞れないが)

 

このように望遠はしばしばピントの薄さに苦しむ。

これを回避する方法は…

 

ピントを少しづつずらして撮影し、

深度合成をする方法。

これはOMだとレンズによってはカメラが勝手にやってくれたりする。

 

もう一つは…広角で撮影して必要な範囲をトリミングする方法であるw

もっともこの方法だと遠くにあるものは小さくなるので

根本的な解決にはなりえないのだが。