月に叢雲花に嵐

1日1枚フォトダイアリー

紅の渦

彼岸花で有名な土地は各地にあるが

愛知県の矢勝川もその一つである。

ここは新美南吉の故郷であることから

ごんの秋まつりと言う彼岸花祭りが開催される。

 

ごんぎつね彼岸花なんか出て来たか?

実は2か所だけ出てきている。

墓地には、ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました。

人々が通ったあとには、ひがん花が、ふみおられていました。

 

ごんぎつねとはどういう物語なのか

ごんと言ういたずらばかりしている一人ぼっちの小ぎつねが

いたずらで兵十がとったうなぎを逃がしたが

数日後、兵十の母が死んだことを知る。

あのうなぎは母親のためにとったものだったのだ。

それ以来ごんは栗などをこっそり兵十の家に届けるようになった。

しかしある日兵十に気づかれ、

いたずらをしに来たと誤認され撃たれてしまうのであった。

 

うなぎの復讐に火縄銃を持ち出すとか大人げない…

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PENTAX KP + APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO(300mm) SS1/400 F5.6 ISO6400

 

さて、撃たれたごんぎつねは死んだのだろうか?

死んでないと答える層が一定数いるらしい。

いや火縄銃で撃たれて死なない狐ってどんな狐だよ…念能力者か?

22口径で念能力者の私に致命傷を与えるのは困難ですよ。

そういえば再開されたけど相変わらずゴン出てこないな…

 

おそらく死んでないと思っているというよりも死を受け入れられない層だろう。

人語を解するきつねが存在するファンタジーの世界なら何でもありやろ…

残雪もハヤブサに襲われたが復活したではないか…

人間は現実と願望を前にして、しばしば願望を優先してしまう生き物だ。

こと戦争において顕著で、

わが軍大勝利と報告し

マスコミもそれを書きたて

国民もそれを信じる。

かつては頭上に空襲が降ってくる現実よりも、都合の良い願望を優先したものである。

 

確かに直接的に死んだとは書かれていない。

しかし、実はふみ折られたひがん花が伏線だったと言う説がある。

ひがん花の球根は踏まれると翌年生えてこない。

取り返しがつかないと言う暗喩である。

ごんはうなぎにいたずらをしたのを後悔したが取り返しがつかず

兵十は撃った後栗に気づいたが取り返しはつかないのである。