6月のごく短い間姿を見せるシジミチョウの仲間を
ゼフィルスと言う。
語源はこの時期に西風が吹くことが多いため
西風の神と言う意味。
エンヤのカリビアンブルーの歌詞にはZephyrusと言う言葉が登場する。
もっともゼピュロスと発音するようで
田中芳樹の西風の戦記もゼピュロシア・サーガと言うサブタイトルである。
しかしシジミチョウはゼフィルスでなくてはならない。
かの手塚治虫もそう呼んでいた。
この蝶も子どもの頃、図鑑でこんなに美しい蝶がいるのかと驚いたものだが
ついぞ逢うことはできなかった。
今ではインターネットで産地の情報が手軽に調べられる。
良い時代になったものだ。
舞岡公園は平地性ゼフィルス6種が生息したので、
かつては蝶撮りのカメラマンでにぎわったものだ。
ミドリシジミの主なポイントは
かっぱ池と水車小屋のあたりであったと記憶していたが、
かっぱ池でしばし探すも全く姿を見なかった。
OM-1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14 SS1/400 F5.6 ISO5000
これはダメかと思ったが、水車小屋付近の樹に止まっているのが見つかった。
しばらく歩き回った後だったので手がプルプルしていたが
手振れ補正と高感度のおかげでなんとか撮影することができた。
残念ながら翅を広げてはくれなかったが、
拡大するとわずかに翅の間に緑色の光沢が見える。
オスである。
実はミドリシジミは地元の長田谷津にも生息していて、
早朝と夕方キラキラと飛び回っているのを見ることができるが、
舞岡公園にせよ長田谷津にせよ
昆虫の採集は禁止と言うことになっているので、
そっと眺めるか、写真を撮るかにとどめよう。
写真を撮るのもなかなか難しいのだが。
このPVは捕虫網を振り回すおっさんが、
西風の妖精たちに捕虫網を取り上げられてしまい
かわりにカメラを渡されるシーンがある。